So-net無料ブログ作成
検索選択

abさんご〈窓の木〉#2 [abさんご]

「abさんご」〈窓の木〉あらすじ

 知人に紹介され、親子ふたりが引越した先は、
 ある海辺の町の新築の小さな貸し家だったが、
 父が書庫を小部屋に連ねて増築したおかげで、
 その書斎は日も風も入らないありさまとなった。

 部屋の狭さにもかかわらず、
 旧家から持ち出された横長の机と、
 それに合わせ新調された回転椅子が運び込まれると、
 父は、身を斜めにしながら、
 まるで巻き貝の芯からにじり出るような恰好で、
 どうにか椅子から立ち上がりはしたが、
 さらにその窮屈な姿勢のままで、
 安普請ですぐに歪んでしまった、
 書庫への引き戸の開け閉めをするのにさえ苦労した。
 そんな粗末な書庫へは、
 潮風と砂埃が容赦なく入り込んでくる。

 しかし全ては束の間、仮住まいの辛抱だからと、
 ともかく戦火から蔵書を救えて幸いだったと、
 そんなふうに半年が過ぎた。
 書斎の他には、座敷と茶の間があったが、
 昼から夜へと部屋を移りながらも、
 父と子はふたりそろっていつも同じ卓で、
 それぞれに書いたり読んだりして過ごした。
 それはそれで、ひとつの安らぎの完結形だった。

 --もどって読む--
 --つづきを読む--

(この章にでてくる言い回し)

松籟 → しょうらい 松の梢に吹く風、音


・あらすじを最初から読むなら!
・この人今はいくつなの?How old are they?
・これは誰なんですか?呼び名七変化~主人公の父編主人公編家事係編
タグ:あらすじ
nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この記事のトラックバックURL: